おすすめの防災セットって、つまりは一番売れている防災セットということですよね。
ではAmazonと楽天、それぞれのベストセラーの防災セットとは?
Amazonでベストセラー1位の防災セットはこちら。
「非常用持ち出し袋36点セット リュックタイプの防災セット」
価格は11,880円です。
そして、楽天ランキング1位はこちらです。
【地震対策30点避難セット】被災者の声を元に防災士が厳選した防災グッズ非常用持ちだし袋 非常持出袋 |
「地震対策30点避難セット」
価格は21,465円です。
この2つの防災セット、いったい何がおすすめかというと
「非常用持ち出し袋36点セット」は
「東日本大震災を実際に経験したショップだから本当に必要なものがわかる」として、36点の防災アイテムを揃えています。
「地震対策30点避難セット」は
「防災士が厳選した30種類の防災グッズ」を2012年度グッドデザイン賞を授賞した防炎リュックに入れ、女性や高齢者でも無理なく持てる5キロに抑えたとしています。マスコミへの露出も多いそうです。
まあ、「非常用持ち出し袋36点セット」のおすすめポイントはまだわかりますが、「地震対策30点避難セット」はそれより10,000円も高いだけの良さがあるとは思えないですね。
防災士認定の防災セットはほかにいくらでもありますし、リュックのデザインがいいかどうかが非常時に重要なこととも思えません。
防炎素材であることを強調していますが、リュックが燃えるような火の中を避難することはありません。
消防士みたいに防火服でも着ていないと、先に人が焼けちゃいますから。
それに多くの人が思い違いをしていますが、火災で怖いのは火ではなくて煙です。
煙を吸って一酸化炭素中毒になり、そのまま動けなくなって結果的に焼死してしまうんです。
ですから、火災で一番に気をつけることは煙を吸わないこと。
後述しますが、この防災セットはその点も考えられていません。
唯一評価できるとしたら、重量を5キロに抑えたという点でしょうか。
でも中身が足りないので、ほかにいろいろ入れたら5キロはあっという間に超えてしまいますけど。
それでは肝心の中身を見ていきます。
どちらも似たようなものが入っていますが、どちらかといえば「非常用持ち出し袋36点セット」のほうが現実的ですね。
似たような機能をもつアイテムは除外しても、これだけ違います。
「非常用持ち出し袋36点セット」にあって、「地震対策30点避難セット」にないもの
・スモークシャットアウト
・冷熱遮断エアーマット
・レスキュー簡易寝袋
・ポリ袋
・歯ブラシ(2本)
・ロープ
「地震対策30点避難セット」にあって、「非常用持ち出し袋36点セット」にないもの
・食品加熱袋・加熱剤
・エアーまくら
・アイマスク・耳栓
・スリッパ
・水のいらないシャンプー
・非常用ローソク・マッチ
・布ガムテープ
・緊急時連絡シート
10,000円高い「地震対策30点避難セット」のほうには、煙から身を守るスモークシャットアウトが入っていません。ホントに防災士が選んだの?と言いたくなります。
細かいことを言わせてもらえば、食品も「地震対策30点避難セット」にはカンパンしか入っていない(それなのに加熱袋が入っている)のに対して、「非常用持ち出し袋36点セット」にはカンパンに加えて、えいようかん、カロリーメイトも入っています。
ここで気がついた人もいるはずです。
「値段が高いから中身が充実しているわけじゃないんだ!」
そう!
防災セットって値段で選ぶものじゃないんです。
我々には「安かろう悪かろう」の価値観がしみついているので、高くて売れ筋の商品ならきっといいものに違いない、これがおすすめね!と思ってしまいますが、実はそうではないんです。
私に言わせれば「非常用持ち出し袋36点セット」の11,880円だって高すぎます。
この2つの人気商品、おすすめ防災セットとして紹介されることがあるかもしれませんが、買わないほうがいいです。
なぜなら、同じ内容のもの、いえ、それ以上のものをもっと低価格で揃えることができるからなんです。
ランキング1位の防災セット2つを見てきましたが、どちらにも入っているアイテムは、言い換えれば必須の防災アイテムと言えるわけです。
いわば、防災セットの「基本のキ」です。
最低限、この基本だけ抑えておけば、あとは自分が「あったらいいな」というものを加えていけばいいのです。
シンプルな防災セットなら価格もお値打ち!
このベーシックタイプの基礎セットなら6,980円で、これだけは欠かせない!という基本のアイテムがほとんど揃います。
「地震対策30点避難セット」、「非常用持ち出し袋36点セット」の共通アイテムで、このベーシックタイプの防災セットに入っていないのは次の6点。
・災害時ハザードマニュアル
・単3電池
・カイロ
・三角巾
・救急セット
・緊急モバイルチャージャー(マイクロUSB付)
ですが、今なら商品レビューを書くだけで乾電池式USB充電器とスマホ用の充電ケーブルがもらえます。
FOMA、AUなどの充電ケーブルも各135円で購入可能です。
あとは災害時ハザードマニュアルを除けば、残りのものは100円ショップなどでも調達できます。
ハザードマニュアルについては、各自治体から災害の心得といった小冊子が配布されていることも多く、平常時にネット検索してプリントアウトするなりしておけば自分で準備しておけるものです。
これらに加えて、食料や水など、自分で足りないと思うものを買い足しても10,000円あればおおよそのものが揃います。
たとえば寝袋は518円。
加熱パックは630円。
エアーマットは820円。
「地震対策30点避難セット」一人分の予算で二人分の防災セットが揃うんです。
これは大きな違いですよ!
もしかしたら一生使わずに済むかもしれないものですからね。
まとめると
おすすめと言われる防災セットの中にはむやみに高いものもあるので、中身をよく見てそれだけの価値があるかどうか考えましょう。
防災セットは基本だけ抑えたシンプルなもので十分。
あとは好みの非常食とか、使いなれた衛生用品とか、あったらいいなと思うものを加えていけば、安くて便利な自分だけの防災セットを準備できます。